アマゾンの森林火災がかなり話題になっていますね。
どちらかというと、僕はエンジニアなのでAmazon AWSの東京リージョン大規模障害の方がやばかったです。。
AWSの東京リージョンに障害発生 ゲームからWebサービスまで大きな影響 https://t.co/wKxmUm5szg pic.twitter.com/lEwEmEHYu5
— 週刊アスキー (@weeklyascii) 2019年8月23日
話を元に戻して、今回はブラジルのアマゾン森林火災報道について、「ん?」と思う部分があったので見ていきます。
アマゾンの火災は何が原因?
正確には分かっておらず、どの立場で物事を見るかによって主張が変わるため何とも言えない部分もあります。
天災により発生するものもあれば、人災によるものもありますが、今回においては恐らく人災ではないかと言われています。
つまり、森林を焼き払うために意図的に火災を起こしているというものです。
天災によるものとしては、「落雷」などが挙げられます。
また意図的に森林を焼き払う理由としては、「焼き払った土地に農地などを作るため」です。
立場による主張の違い
欧州や環境団体は、今回のアマゾン森林火災について激しく批判しています。
「これは人為的に行われた火災だ!」とする主張ですが、それに対してブラジルのボルソナロ大統領は「欧州や環境団体は介入するな!」という立場です。
ブラジル大統領に悪い印象を持ってしまいますが、発展途上国において自国の経済発展は重要なことです。
森林火災が意図的に行われたものだとしても、もう発展してしまった先進国にとやかく言われる筋合いはないという言い分も分からなくもありません。
ただし、それを正当化して環境を破壊していいという問題でもありません。
先進国が発展途上国を正しく支援することが重要なわけですが、それがうまくいっていないのでしょうね。
アマゾンが地球の20%の酸素を生み出しているのは誤り
アマゾンが地球の20%の酸素を生み出しているというのは誤りです。
すべてではないですが、海外メディアの一部が「アマゾンは地球の20%の酸素を生み出している」と報道しています。
が、そんなことはあり得ないですし、今回のアマゾン火災の問題はそこではありません。
アマゾンの地球の酸素に対する貢献度はほぼ0%
学者の間では、アマゾンの地球の酸素への貢献度はほぼ0%であると主張しています。
後述しますが、森林は酸素も排出すれば二酸化炭素も排出します。
もちろん、森林がなくなることによって環境に影響がないわけではありません。
が、過大に報道をしすぎているということを問題視しているようです。
地球の20%の酸素を生み出すには二酸化炭素の量が足りない
まず、地球の20%の酸素を生み出すには、二酸化炭素の量が足りません。
大気中に二酸化炭素は約0.03~0.05%と言われています。
それに対して、酸素は約20%です。
大気中にある酸素の20%を大気中に含まれる二酸化炭素で賄うのはほぼ不可能と言うのが学者間での一般認識です。
アマゾンが生成している酸素量は?
様々な学者や団体が調査を元に数値を出しています。
ヤドビンダー・マルヒ | 約16%(陸上で生成される酸素の内) 約9%(陸上以外も考慮した場合) |
---|---|
ジョナサン・フォーリー | 約6% |
※ヤドビンダー・マルヒ氏は「英オックスフォード大学環境変動研究所の生態系科学者」です。
ジョナサン・フォーリー氏は「気候変動対策を研究する非営利団体「プロジェクト・ドローダウン」のエグゼクティブ・ディレクターで気候学者」です。
アマゾンは地球の肺であるという主張はある意味正確
アマゾンが地球の肺であるという主張もありますが、これはある意味正確です。
この主張をしている人は「アマゾンが酸素を排出してくれている」という意味で使っていますが、呼吸と言うのは酸素を吸い、二酸化炭素を排出します。
つまり、地球の肺ではありますが、正確には酸素も二酸化炭素も排出するという認識が正しいわけです。
森林は酸素を排出してくれますが、夜間には呼吸により二酸化炭素を排出します。
アマゾンの森林保護には別の重要な理由がある
アマゾンの森林火災は主に酸素という一点において論じられていますが、問題は他にあります。
そもそも、アマゾンは多様な生物が棲む家であり、森林火災により生物はその家を失うわけです。
酸素を主題にして論じるのも良いですが、生物多様性という観点からも今回の問題を見なくてはなりません。
酸素を主題にしてしまうのは人に影響が出るからですが、本当に環境のことを思うなら生物多様性に関しても論じなくてはいけないわけです。
個人的にはむしろそちらの方が大切だと思っています。
重要なのは人間が手を加えないこと
今回の森林火災によって焼けてしまった土地ですが、変に人間が手を加えてしまうのはナンセンスです。
時間はかかるかもしれませんが、熱帯林は自然に治癒していきます。
変に人が植林をして生態系を乱してしまうことの方が問題です。
自然はあくまで自然であって、人間が介在するのが重要な場面もありますが、一番は自然に身を任せることです。
参考サイト
■「アマゾンは地球の酸素の20%を生産」は誤り
URL:「https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/19/083000504/」
■アマゾンは「地球の肺」ではない。森林火災にどう向き合うべきか
URL:「https://news.yahoo.co.jp/byline/tanakaatsuo/20190825-00139766/」
まとめ
環境問題は政治が絡むので、何が本当に正しい情報なのかを見極めるのが難しい側面もあります。
ただ、勉強を重ねることで基本的な知識は身に付きます。
今回の問題で過大評価された情報が流れていますし、これによって間違った情報が拡大してしまっていることも問題があると思います。
本記事の内容も正しくない部分はあるかもしれませんが、できる限り正しい情報を集めるようにしています。
ではまた。