中国の大気汚染は日本でも有名ですよね。
大気汚染の影響で周りが全然見えなくなるのもある意味日常の中国。
今回は、そんな中国の都市北京の大気汚染問題に焦点を当ててお話ししていこうと思います。
北京における大気汚染の現状
日本でも、特に冬になると北京の大気汚染が話題になりますよね。
大気汚染がひどすぎて子供が学校に行く途中に迷子になってしまった、信号機が全然見えなくて交通事故が起きた、などということを聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。
北京の大気汚染がひどいのは、特に11月から3月にかけての期間であり、大気汚染があまりにも深刻な時、100メートル先もよく見えないということがあります。
大気汚染にはレベルがあり、赤色警報が1番深刻なレベルになりますが、赤色警報が出た時には小学生や中学生の子供たちは課外活動を禁止されます。
体育なども中止され、できる限り室内で過ごすようにと言われます。
最近ではそんな中でも体育ができるようにということで、グラウンドが屋内に設置されているということもあります。
スイミングプールが室内になっている場合もあります。
そのため、北京での生活では空気清浄機が欠かせません。
特にひどい時には、空気清浄機を最大限に稼働させたとしても喉に違和感を感じることがあります。
なぜ冬場の方が深刻なのか
それならば、なぜ11月から3月までの冬場にかけて大気汚染が深刻化するのでしょうか。
それは北京の暖房器具であるセントラルヒーティングに原因があります。
最近は地球温暖化の影響により、冬でも気温がそこまで下がらなくなりました。
雪が降る回数も減りましたが、実は北京というのは非常に寒くなる時期なのです。
数年前までは、冬になるとマイナス20℃位に気温が下がることもありました。
空気が乾燥するためにあまり雪が降るということはありませんが、一度雪が降ると気温が低すぎたために雪が解けないのです。
そのため、常に雪が周りにあるような状態が続いたこともあります。
そんな中、各家庭にはパイプがつながっており、冬になるとこのパイプの中をお湯が通り、部屋を暖めてくれると言うセントラルヒーティングが稼働します。
中国は社会主義国家ですから、各自が灯油などを購入して自分で暖房を使うと言うことはできませんでした。
今でこそ電気を使う暖房器具などは各自で購入することができますが、燃料を各自が購入することができないため、ガスストーブなどというものは存在しません。
また、あまりにも寒すぎるために強い暖房が必要になるのです。
そのためセントラルヒーティングというものが設置されています。
セントラルヒーティングを使うことによって部屋全体が温まるのは良いのですが、これ自体が大気汚染の原因になります。
セントラルヒーティングを使うということは大量のお湯が必要になるということですが、このお湯は石炭によって沸かされています。
そのため大気汚染が深刻化するのです。
北京におけるセントラルヒーティングは11月15日から3月15日までと決まっているので、特にこの間は大気汚染がひどくなります。
ハイブリッドが推奨されている?
そんな北京では、ハイブリットが推奨されています。
世代によっては、中国と言えば自転車というイメージを持っている人もいるのではないでしょうか。
しかし、今は自転車だけではありません。
ハイブリットのスクーターはあちこちを走っていますし、ハイブリットのバイク、車もあちこちに存在します。
街中にはハイブリッドカーを充電するためのプラグなども設置されており、それぞれ意識が高いということが分かります。
また、大気汚染が深刻化して赤色警報やその1つ下のレベルであるオレンジ警報が出た場合、大通りなどでは車の通行が制限されます。
例えば、アメリカなどにも2人以上の人が乗っている車が優先的に走ることができるレーンなどもありますが、北京においても1人しか乗っていない車は通れない、ハイブリットではない車は通れない、などという規制が敷かれることもあります。
それに加えてもちろん自転車も一般的です。
街中にはあちこちレンタル用の自転車が設置されており、携帯を使って支払いが可能です。
1時間あたり1元、つまり1時間あたり17年ほどで、1時間未満であれば無料ということもあります。
そのため自転車を持っていなかったとしても心配する必要がありません。
大気汚染への対策・改善
最近では、できる限りそのような大気汚染を解決しようということでハイブリッドカーが推奨されるのみならず、例えばセントラルヒーティングで使うお湯をガスで沸かそうなどという取り組みも行われています。
石油や石炭が使われるとどうしても大気汚染が深刻化してしまいますから、それ以外の方法が試されているのです。
最近、北京では面白い決まりができました。
家庭の料理において、炒め物すると空気が汚れるから、特に大気汚染がひどい時には炒め物はしないようにと言われるようになったのです。
これは科学的根拠はありません。
中国は北京や上海こそ発展した地域ですが、田舎は極めて発展途上であり、そのため北京は多くの出稼ぎ労働者や不法労働者がいます。
その中には屋台を出してうどんなどを販売している人もいますが、屋台を使えば煙が出ますよね。
そのため、大気汚染がひどい日はそのような屋台に「今日は商売をしないように」と注意が出る場合もあります。
これは非常に面白い法律です。
炒め物をしても、それはあくまでも湯気が出るだけであり、決してそれが大気汚染に影響を与えるわけではありません。
これに関しては、中国国内でも「この決まりはおかしい」という声が上がっています。
大気汚染がもたらす問題について
大気汚染がひどいと言うと、どうしても北京を思い浮かべる人もいるでしょう。
しかし、大気汚染がひどいのは決して北京だけではありません。
特に、大都市である上海も大気汚染がひどい場所として挙げられています。
さらに中国のみならず、他の国においても大気汚染が深刻化しています。
日本も例外ではありません。
そして、大気汚染は確実に地球温暖化という問題を引き起こします。
先ほどもお話しした通り、最近は北京も雪が降らなくなり、今までは冬の気温もマイナス20℃ほどだったのが、最近ではマイナス10℃にも至りません。
雪もほとんど降らないため、非常に乾燥しており、この時期には風邪を引いてしまう人も少なくはないのです。
まとめ
日本国内においても地球温暖化による自然災害などが増えていますよね。
どうしても台風が多くなったり、夏場は7月から40℃を超えるということもありました。
大気汚染は中国だけの問題ではありませんので、世界的に協力し、問題の解決を図っていかなければならないのです。