父を連れて第二の故郷アイルランドへ
留学先であるアイルランドから帰国した5年後、私は再び父を連れてアイルランドへ旅行することになりました。
休学してアイルランドに1年間留学していた時、父はまだ仕事をしており長期休暇がとれなかったためアイルランドまで来ることができませんでした。
あれ以来ずっとアイルランド旅行を熱望していた父のために、私は会社に1週間の休暇を申請し、父娘の旅行が実現しました。
父は海外に対する憧れが強く特にヨーロッパが好きでした。
しかし仕事が忙しくなかなか長期休暇がとれなかったのもあり、定年退職を迎え実現したこのアイルランド旅行まで一度も海外に行ったことがありませんでした。
そんな父ですので私以上にウキウキソワソワしていました。
もちろん私もまた再びアイルランドへ行けることに胸を躍らせていました。
かつてのホストファミリーに連絡をとり、夕食を一緒にする約束をしました。
出発するまでは、どこに父を連れていくか考えたり自作の工程表を作ったりして出発前のワクワク感を楽しみました。
私は留学時代のお気に入りの場所や大学、それからアイルランドの名所に父を連れて行くことにしたのですが、父からも行きたい場所のリクエストがあったためそこにも行くことにしたのです。
父、初めての海外に大興奮
父大緊張の中出発当日がやってきました。
父にとっては飛行機のチェックインも初めてでしたので私が主体となって進めました。
とにかく心踊っているのが丸わかりな父の姿に、最初は嬉しく感じていた私も徐々に疲れてきました。
遠足前の小学生のように機内でもはしゃいでいました。
CAから聞かれる「beef or fish」にもはじゃぎ、機内食にもはじゃぎ、眼下に見える景色や島々にいちいちはしゃいでいました。
私にとってはいつも通りのことなのに父にとっては人生初。
私も初めて海外に行った時はこんな風にはしゃいでいたのを思い出しました。
そして乗り換えのために降りたオランダの空港。
歩いている人がみんな外人であることにも、またはしゃいでいました。
そしてお手洗いから帰ってきた父が、「オランダ人の背丈に合わせたおしっこの便器が高すぎて、背伸びをしないと命中しなかった」と嬉しそうに話してきました。
さて、はしゃぎまくりで到着したダブリン空港、入国審査で父はやらかしました。
入国目的を聞かれた父は「62 years old」と年齢を答えたため入国審査官が困り果て私が呼ばれました。
英語に自信を持っていた父はこれがきっかけで英語に対する自信を失いました。
私のお気に入りの場所、ダブリン
アイルランドではダブリンに滞在しました。
私はダブリンの真ん中を流れるリフィ川沿いにホテルをとりました。
そこは市内観光するのに最適な場所だったからです。
初日は私がよく通った、パブがひしめくテンプルバーで夕食を食べました。
食事と共にアイルランドで有名なギネスビールも飲みました。
本場の味に父も大満足していました。
翌日は私が通っていた大学を案内しました。
私はUniversity College Dublinに通っていました。
ダブリンの中心にありながら緑豊かな巨大大学です。
私が通っていたころは、教室に向かう前にキャンパスの中心にある湖へ行って白鳥に挨拶をしていました。
父をその思い出の湖へ連れていき白鳥に挨拶をしました。
それから教室には入れなかったため学食へ行って休憩しました。
隣では山盛りのポテトフライを食べる教師陣。
アイルランドではポテトが主食なので当たり前の光景なのですが父はとても驚いていました。
それから通学路だった高台にある見晴らしのいい公園に行きました。
ここから父と眺めた景色は忘れません。
緑と海とどこまでも続く青空がとても綺麗でした。
こんな通学路を通って通学できていたことを幸せに感じました。
ホストファミリーに再会
私のホストファミリーは両親と知的障害のある当時高校生の娘でした。
この娘との関係は、障害があるため私もなかなか悩んだのですが、それでもとても優しい家族で私は大好きでした。
夕食時になり私と父はホストファミリーを訪ねました。
ホストマザーがおっきな笑顔で出迎えてくれ、私達はハグをして久々の再会を喜びました。
パパも娘も変わらない姿で快く私達を迎えてくれました。
私は父とホストファミリーがハグをする姿を見てとても嬉しく感じました。
それから一通り私が暮らした家を案内しました。
父はとても嬉しそうでした。
そして、料理上手なマザーが魚好きの父のために普段は食べないサーモンをムニエルにして出してくれました。
特に父の皿に乗ったサーモンは大きくてびっくりしました。
そんなマザーの気持ちが私も嬉しかったです。
私達は留学時代の思い出話やお互いの国、文化について夜遅くまで話しました。
やはり留学時代よりは私の英語力は下がっており、それでも父よりは話せるので私が通訳して会話を楽しみました。
ホテルへ帰る時にはマザーが最寄りのバス停まで車で送ってくれて本当に温かいマザーや家族と過ごせたことを嬉しく思いました。
次いつ会えるかわからない第二の故郷の家族、私はまた再来することを強く決めました。
父熱望のキルケニー城へ
翌日は父がどうしても行きたがっていたキルケニー城へ行きました。
父がヨーロッパ好きな理由の一つとしてお城があります。
父はヨーロッパの美しいお城をどうしても見たかったのです。
キルケニーまではダブリンから列車で約1時間、私達はまだ暗いうちに列車に乗りました。
アイルランド人が大好きなパニーニを売店で買って車内で食べました。
車窓からは霧のなか、草をはむ羊の群れが見えて幻想的でした。
キルケニーの街はカラフルで可愛らしいところでした。
そして急に現れる漆黒のお城。
まさに童話の世界に迷いこんだかのようでした。
城内を一通り周り、それからお城に続く公園を散歩しました。
家族連れや犬の散歩をする人で賑わっていました。
こんな可愛らしい街に暮らし、こんな素敵なお城の庭で散歩やピクニックができるなんて羨ましいと思いました。
それからダブリンへ戻った私達は留学時代お気に入りだったパブ、ブレイズンヘッドで飲みました。
ここはヨーロッパ最古のパブで1600年前から営業している名店です。
父は本当に嬉しそうにギネスを飲み、アイルランド名物フィッシュアンドチップスを食べました。
そして、ここで初めて食べたマッシュルームフライの美味しさは衝撃ものでした。
私と父は顔を見合せ、そして握手をしてしまうほど美味しかったです。
最終日はダブリン観光
最終日はダブリン市内を観光しました。
まずはダブリン城です。
ゴシック建築で重々しい雰囲気のお城で、父は日本と違うその雰囲気に喜んでいました。
そして、クライストチャーチ、その荘厳さとステンドグラスの美しさに父は息を飲んでいました。
それからケルズの書を見るためにトリニティカレッジへ行きました。
世界最古の聖書と言われるケルズの書を見ようと沢山の人が訪れていました。
そして、私のおすすめはトリニティカレッジ内にある図書館です。
まるでハリー・ポッターに出てくるような巨大な図書館で不思議な空間なのです。
見学をしていると、翌週から日本へ旅行にいくというアイルランド人から声をかけられました。
互いの国について話ができて世界は狭いなと感じました。
夕飯はホテルのレストランでアイリッシュダンスを見ながら食べました。
本場のアイリッシュダンスを見せることができてこれまた嬉しかったです。
私の大好きな場所で大好きなギネスを飲み大好きな景色を眺め、大好きな父と旅行していることを幸せに感じました。
大好きなホストファミリーに再会できたこと、父を紹介できたこと、どれをとっても私の今までの旅行の中で最高の思い出でした。
今でも父とこの時の旅行について話したりします。
私なりの親孝行旅ができたのではないかなと思っています。
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