北海道小樽市にある「小樽運河」。
意外と小樽運河の良さを知っている人は少ないんですよね。
ということで今回は、小樽運河について解説していきます。
小樽運河とは?その歴史と概要
小樽運河は、北海道小樽市の石狩湾に面している小樽港に位置しており、北海道有数の人気観光地です。
大正12年、小樽港での運搬をより効率的に行うため作られ、北海道開拓に大いに貢献しました。
しかし、一般的な運河とは異なる特徴があります。
それは運河の形です。普通は内陸をまっすぐ進む形ですが、小樽運河は海岸沿いを埋め立てながら作られたため、ゆっくりと湾曲しています。
戦後になり、完成から約25年間、玄関口として栄えた小樽運河はその役目を終えました。
現在の小樽運河は一部が埋め立てられ、運河北部を除いて元々の幅の半分が道路になったものです。
全長は1140mとなり、幅は20mになりました(北部は40m)。
周りには、西洋文化とうまく混ざり合った大正時代独特の雰囲気を当時のまま残している建物もたくさんあります。
そのためか、世界中から観光客が訪れます。
このように小樽運河の歴史や時代の背景を知っていると、実際に見た時の感動や印象もまた異なってくるのではないでしょうか。
ガス灯による夜のライトアップ
小樽運河の大きな見どころは、朝、昼、夜で雰囲気が大きく異なるところです。
運河散策路に沿って、ガス灯が全部で63基も設置されています。
夕方になると、それらのガス灯が一斉に小樽運河を照らし始めます。
ガス灯の独特の明かりが光の暖かみを生み出し、とても魅力的です。
昼間の運河とはまた異なった顔を見せてくれるので、暗くなってから再び訪れてみることを是非おすすめします。
また、運河を挟んだ散策路の反対側には、石造りの倉庫が建ち並んでいます。
この石造倉庫、戦前からずっとある建物です。
100年以上もの間、変わらずそこにあるなんてすごいですね。
現在は内部にレストランなどがいくつか入っており、運河を眺めながらの食事をしたりすることができます。
小樽運河に来たのなら、浅草橋も逃せません。
ここで小樽運河をバックにしての記念撮影はマストです。
観光案内所やカフェを内設する「運河プラザ」もすぐ近くにあり、常に観光客で賑わっている大人気スポットです。
また「小樽運河クルーズ」では、冬季を除いて小樽運河のクルーズを体験することができます。
利用してみてはいかがでしょうか。
夏と冬、どちらも魅力的な小樽運河
夏には大きく広がる青空と、運河の両側や散策路に生える緑の景色を楽しむことができるでしょう。
港町に位置するさわやかな夏の小樽運河は、また訪れたくなるに違いありません。
運河の近くには、北海道で初めて開通し、現在は廃線となっている旧国鉄手宮線の線路が残されています。
夏には緑が生い茂り、時間が止まったような不思議な感覚になるスポットです。
そこまで人が多く集まらない場所のため、落ち着きたい時などに線路沿いにゆっくり歩いてみるのはどうでしょうか。
夏の時期には運河沿いに風鈴が飾られる場所があり、運が良ければ見れるかもしれません。
いくつものガラス風鈴が奏でる美しい音色はとても素敵です。
冬には多くの雪が降り積もり、そこが雪国であることを感じさせます。
散策路のあちこちやお店の前には雪だるまが作られています。
プチ撮影スポットとして観光客に人気です。
石造倉庫には大きなつららが連なり、幻想的な雰囲気を醸し出しています。
夜には白い雪がライトアップで照らされ、輝いているように見えます。
さらに、札幌で開催される雪まつりに合わせ、小樽でも「小樽雪あかりの路」というイベントが開催されます。
数多くのキャンドルライトに照らされる小樽運河も、冬にしか見られない特別な景色です。
港町ならではの魚市場や運河近くの大通り
小樽運河の見どころは、運河そのものだけではありません。
JR小樽駅を出たところのすぐ左側に、少し急な階段があります。
それを登っていくと、その先に「三角市場」という魚市場があります。
小樽は元々港として栄えた街です。
魚介類も美味しいものが多く、北海道のなかでも評判です。
特に、ウニは小樽のものが最高だという声も聞きます。
市場内の通路は少し狭いですが、進んだ先に出口があり、そこからスムーズに運河の方まで行けるのでご安心ください。
運河の手前まで行くと、「堺町通り」という名前の大通りにたどり着きます。
大通りの中には、地元の人々が使うお店から、観光客向けのお土産屋さんがたくさんあります。
小樽ではガラス細工が有名であることを知っている方も多いのではないでしょうか。
中でも有名な「北一硝子」など、ガラス細工のお店や雑貨店がいくつも建ち並んでいます。
また、西洋文化を取り入れた大正時代の名残を持つ小樽ならではの洋菓子店もいくつかあります。
有名な「ルタオ」の本店もあり、お土産には困りません。
散策するだけでも楽しい時間を過ごせるに違いありません。
小樽運河へのおすすめの行き方
新千歳空港からは、空港とJR小樽駅を直接つなぐ快速エアポート号に乗るのがおすすめです。
空港から10駅停車したあと、最終地点の小樽駅です。
片道1780円で、所要時間は最速で73分となっており、もっとも速くラクに移動できます。
日中は15分間隔で運行されているため、ほとんど待たずにいつでも乗ることができます。
しかし、快速エアポート号の中には、札幌駅が終点となっている列車もありますのでご注意ください。
また、列車内の座席は回転可能となっている車両もあるので、グループ旅行や家族旅行の際は向き合って座ることもできます。
札幌駅からの場合は、北海道中央バスが小樽まで走っており、片道610円、所要時間は約1時間です。
列車だと先ほどの快速エアポート号に加え、いしかりライナーとJR函館本線が走っています。
列車は三線全て片道640円、所要時間は快速エアポート号が最も速く32分ですので、同様に快速エアポート号を利用するのがおすすめです。
JR小樽駅に到着した後は、改札口を出た目の前にまっすぐ伸びる緩やかな坂道を約10分下るだけで、すぐ運河に着きます。
小樽運河のマップ(地図)
小樽運河のマップ(地図)になります。
まとめ
大正時代の文化の香りをそのまま残している小樽運河、どの季節にも見どころはあくさんあります。
その魅力あふれる小樽の雰囲気を感じてみてはいかがでしょうか。
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