人生初、一人での渡航はアメリカ本土
我が家は昔から毎年海外旅行に行くような家族で、海が好きなのもあり小学1年生から中学3年生まで欠かさず冬休みに海外へ行っていました。
自分の中では何度も飛行機に乗っているし、何カ国かにも行ったことがあり、すべてお父さんに任せていたとはいえ、海外旅行慣れしている気になっていました。
そんな19歳の夏、アメリカのノースカロライナ州にいる友人に会いに行こうと思いました。
その友人は高校時代、我が家にホームスティで遊びに来ており、私が大学生になったら今度はあなたがアメリカに来る番ですよと約束、いよいよ大学生になり、あの時の約束を実行しようと動き始めます。
これまで箱入り娘として実家に住み、日ごろから何もしたことがなかった私ですが、春から大学の為に実家を出て地方で一人暮らし。
何もかも初めての中で、まず旅行と言えば旅行会社。
そんな頭で近所のスーパーにある小さな旅行会社を訪れました。
「すみません。航空券を買いたいんですが。」
いきなり入ってこう言った私。カウンターの方も片手間に、
「はーい どこからどこ行くの?」
なんてパソコンから目を離すことなく聞いてきました。
「うーん、日本からダーラム空港」
話していたお姉さんの頭に???が浮かんでいるのが見えました。
「ダ、ダーラム??」
そんなところは知らないよなんて顔でこちらを見ます。
「ローリー・ダーラム国際空港です。」
ここでようやく私の顔を見てディズニーランドやUSJ旅行に行きたいわけではないと気付き、上司なのか責任者なのか、男性にバトンタッチしました。
あまり何を話したのかは今となっては覚えていませんが、日付やフライトスケジュールを考え、成田からアトランタ空港を経由しダーラムへ行くことになりました。
費用は往復で20万ちょっと、今思えば相当高かったなと。
無知ゆえに旅行の窓口に行けばいいと思い込んでいたので仕方がないです。
下調べはこんな感じ?
航空券のお金を現金でどーんと支払い終えた私は、何が必要で何をお土産に持って行こうかな。
そんなことばっかり考えていました。
国際線の乗り継ぎは経験したことがなかったのですが、「アトランタ空港?アトランタってアメリカなんだね。まーあ、なんとかなるでしょう」。
当時の私は英語が本当にダメで、それでも果敢に英語を話そうとするも全然ダメ。
電子辞書を片手にカタコト英語のスキルだけど どうにかなると思っており、頭の中が お花畑のようになっていました。
はじめてのアメリカ本土では何をしようか、久々に会う友人は元気かな。
スーツケースを準備し、前日に大学の先輩や同期を集めて寝ずのホラー映画パーティを開催。
飛行機の中で寝ればいいやと、一睡もせず夜明けを待ち、朝一番のバスで成田空港へいよいよアメリカへの旅行が始まります。
この時 私は大事な情報を収集し忘れていることに気づいていませんでした。
スムーズに成田空港でアトランタ行きにチェックイン。
当時ガラケーしか持っていない私は、タブレットもなければ、WiFiそれは何ですか??
電子辞書とデジカメを片手に一人でも楽勝楽勝と意気揚々飛行機に乗り込み、日本を後にするのです。
確認はとにかく大事だったのに・・・
アメリカンエアラインに揺られ、12時間40分の空の旅。
3列シート窓側、でも隣には誰もいないのでゆったり座れる最高な環境。
映画が好きな私は機内エンターテイメントを確認すると、見ていない新作の映画がたくさんあるではないですか!
前日寝ていないのに興奮してきて、トイレにも行かずにずーっと見ていました。
いよいよアトランタが近づき、私のテンションも高くなっています、乗り継ぎ時間は3時間。
アトランタを出れば1時間半で友達の待つノースキャロライナに到着です。
飛行機が着陸し、荷物はダーラムにそのままスルーなので身一つで入国します。
このとき私は重大なミスを1個します。
無事にアメリカ合衆国に入国することができた私は、アトランタからダーラム行きの航空券を握りしめ、この券に書いてあるゲートに向かいました。
アトランタ空港は非常に広く、AからFまでゲートがあり、ゲート間はモノレールで移動します。
AからEがアメリカ国内線、Fが国際線になります。
私のチケットには、E20番と書いてあったのでEまでモノレールで移動。
ゲートに到着すると心なしか誰もいません。
そして、乗り場の行き先電光掲示板がなんか違うような気がする??
何度も航空券とゲートを見比べる私。
ここで言いに決まってる。
だって書いてあるんだもん。
飛行機の出発40分前になっても周りは相変わらず全然いない、何かがおかしい。。。
出発30分前になり、言葉の壁があるので重たい腰を上げて、緊張しながら通じるかも分からない英語で、緊張し震える声で聞きました。
「this ticket is here ??」
カウンターにいるお姉さんは私のチケットを確認。
ゲートは合っているのだが黒マジックで上からB19と書いた。
え!?ここにかかれるゲートが違うだと!?
私はパニック。
お姉さんは英語で何か私に言うも聞きとれたのは、「これは間に合わないから次の便で行きなさい。カウンターに行くのよ」って言葉でした。
でも、私はこれに乗らないとダメなのよ!!ってことで、間に合わないと言われたけど、そこから猛ダッシュ。
先ほど書いたようにターミナル間はモノレールで移動EからBまで15分以上かかりました。
B19ゲートはもう無人で誰もそこにはおらず、ゲートにある掲示板にはしっかりとダーラムの文字が書かれていたのを覚えています。
私がした重大なミスは、到着時に離発着電光掲示板で本当の搭乗ゲートを確認しなかったこと。
うなだれるように私はアメリカンエアラインのカウンターへ向かいました。
いざなわれるがまま。。。
半分泣きそうな私、現在の私の荷物はリュック一つ、中には電子辞書が1個とおやつ、そしてiPod と大きなかばんは先に行ってしまったので、全然荷物を持っていませんでした。
唯一私を慰めてくれるのはiPodから聞こえてくる日本人歌手の歌声のみ、このときは(ELLEGARDEN)エルレガーデンというロックを聞いていました。
頭の中では、「あぁ私の英語力でどうしよう、そもそもどうやって家族に私が乗り過ごしたことを伝えよう。。。」。
私が日本でやらなかった一番のミスは、遊びに行く友人の家を電話番号を聞いてこなかったこと。
住所は手紙に書いてあったので知っていたのとメールアドレスのみ。
アトランタでは、この情報では何もすることはできず、私が到着した飛行機から待てど暮らせど私が出てこなかったら友人はビックリするんだろうなと色々なことを考えていました。
カウンターは長蛇の列で、並んでからカウンターまで確実に1時間以上かかる勢い。
自分が置かれているすべての状況を考え、泣きそうな顔をした日本人19歳の私(化粧もしておらずもっと幼く見えたのかもしれませんが)。
そんな私に話しかけてきたのが若めの男性でした。
話していると彼は2歳年上の軍人で、テキサスに帰る途中だったが飛行機が飛ばなくなり明日の飛行機に変更の予定とのこと。
彼の名前は覚えていないので、勝手に仮名ボブとしましょう。
私も電子辞書を使って現状を説明すると、ボブがカウンターで説明してくれるというのです。
あぁ良かった。
これで1個クリアだなんて考えていました。
彼は色々な質問をしてきました。
彼氏はいるの?ホームステイ先で待ってる友達は男の子??いままで何人と付きあったことがあるの??
純粋過ぎた私は、自分の知る英語を駆使し全部正直に答えます。
彼氏はいません。
友達は女の子で恋人はいたことないです。
こんな話をしているうちに 私たちの番になり彼は自分の航空券をスムーズに変えた後、私のことを説明してくれました。
早すぎて2人が何を言っているのか全く分からないままオロオロしているとカウンターのお姉さんに、「GOOD LUCK」、そう言われ小さいかばんを渡されます。
開けるとアメニティーとTシャツが入っています。
そして、「あなたの飛行機は翌日よ」。
そこだけ聞きとることができ、私はボブにこっちだと手を引かれて連れて行かれました。
最大のピンチをどうするか
手を握られ、空港の外に出ると私の気持ちを表すかのような大雨。
丁度アトランタに大型ハリケーンが出現中で最悪の天気でした。
言葉も通じない。
どこに行くかも分からない中、空港のホテルに行くとしか言わないボブ。
空港を出てシャトルバスに乗ります。
バスに乗るまでに横殴りの雨の影響で相当濡れました。
車内はエアコンがガンガンかかっており、非常に寒くカタカタ震えるほど。
ボブは手を握りながら、「寒そうだね。君は宗教は何??バージンなの?結婚するまでバージンな宗教なの?恋人欲しい??」など私に質問をし始めました。
私もさすがにまずいと思いましたが、どう回避していいものか、言いたいことも伝えられず途方に暮れているとあっという間にホテルに到着。
そのままフロントに行き、ボブとスタッフが笑いながら話しています。
唯一 聞き取れた言葉は「King Bed」。
これはまずいなやられちゃう。
人生で初めてがこんなアメリカで、しかも知らない外人とか絶対やだ!!!
まずはホテルのレストランで夕食になり、ここもまたエアコンがすっごく効いたレストランで、何を食べたか覚えていないけれどとにかくサラダに入ったクルトンが大きいなって記憶とただただ寒いという記憶があります。
いよいよ食べ終わってお部屋へ。
広い綺麗なお部屋にどーんとベットが一個。
シャワールームは広く、最悪ここで鍵かけて寝ようと決意。
ボブが私に国際電話のかけ方を教えてくれました。
アメリカに住む家族の連絡先は知らなかったのですが、実家に電話し、高校の英語の先生に状況を伝えてもらえれば、先生が友人の家に電話できると思いました。
国際電話も初挑戦。
カードを削ってその手順に従いかけてくれます。
ホントに今の自分から怒ってやりたいほどに準備不足な当時の私は、日本への国際電話のかけ方も知らないのです。
しかし、ボブは何度も挑戦してくれますが一向に繋がりません。
ソフトバンクの回線までは繋がっているのですが、なぜか通話にならず、この日はどこにも自分の状況を連絡することはできませんでした。
男性経験が無い私はどうやって現状を変えようか悩んでいると、ボブは震える私に先にシャワーを浴びなさいと言ってくれました。
一度温まろうと熱いシャワーを30分以上浴びる私。
服は濡れているけれども着替えはもちろんない。
あるのは小さなカバンにあったシャツのみ。
レギンスとシャツを来てシャワー室を出ると、彼は電話中で「I miss you honey」と愛をささやいていました。
「彼女いるじゃん」と少し安心する私。
彼も電話を切り、シャワーに行く。
私は、「あーもう2日くらい寝てないなぁ」と椅子に座りテレビを見ながらうとうとしていると、彼が腰にタオル一枚で上がってきました。
「神様お願いします!どうかパンツは履いていますように。パンツ+タオルでありますように。どうか本当にタオル1枚だけじゃありませんように」と願ったんですが、くるっと後ろを向く彼のお尻には綺麗な割れ目が。。。
そのままベットに横たわるボブ。
「Come On」。
必死に断る私。
とにかく私は結婚するまで何もできませんを言い続ける。
何もしないからおいでと言われ、いつでも逃げれるように足を地面に下ろして本当に端っこに横たわる私。
一気に疲れが押し寄せてきました。
少しうとうしていると、彼が近づいてきました。
英語で誘ってきているんだろうけど、眠いのと理解できないのでほぼ聞こえないふりをしていると、お財布から20ドル出してきました。
私に20ドルで舐めてというのです。
しかし男性経験がない私にはとてつもなくハードルが高く、何もないまま朝を迎えました。
こちらも少し睡眠を取り意識が戻った時、昨日できなかった腹いせに私を置いて先に空港に行っていたらどうしよう!
シャトルバスに乗って空港に戻れない!!と起き上がると、ボブは起きて準備していました。
そして、「morning Lets go!!」。
起きるのを待っててくれていました。
この経験を生かして
この日のホテル1泊代と夕食代に関して私は1円も払っておらず、しかもボブは私をゲートがあるターミナルまで送り届けてくれました。
ゲートに到着後、一応電光掲示板を確認したらやはり間違っており、きちんとしたゲートに向かいました。
そこにはきちんとダーラムと書いてあり、安心して飛行機へ。
さぁどうやって家族と合流しようかなんて考えましたが、考えても仕方ない。
いくらかかっても良いからタクシーで持ってる住所に行こう。
なんとかなるさーなんてダーラムに到着。
到着ゲートに見覚えのある顔が!
なんと私を迎えに来てくれていました。
私が飛行機から出てこないので、名前からどこの便に振り替えたのかまで確認し迎えに来てくれたのです。
我が家にも慣れない日本語で「アメリカにいません、来ません」って言ってくれたようで、親も心配していましたが無事に国際電話で話をして安否報告を済ませることができました。
本当に色々あった初めての渡航でしたが、親切?な人に助けられ、無事に楽しく過ごすことができました。
この経験から、日本国内ではどこに行くのも怖くなくなり、海外に行く際は乗り継ぎ空港はしっかり調べて旅行に行くようになりました。
今は国際電話のかけ方は完璧です。
この経験が私を1回りも2回りも大きくしてくれました。
これに懲りずどんどん世界中へ足を伸ばしたいと思います。
最後に、あなたは国内外線に関わらず、必ずチェックインした後に電光掲示板で航空券のゲートが合っているのかを確認してくださいね。
今回はきちんと掲示板を確認していたら起こりえないトラブルです。
引き続きお気を付けください。
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