福岡から岡山、そして出雲へ
私が出雲大社に行ったのは9月のことでした。
友人と突発的に決めた弾丸旅行です。
目的は出雲大社に参拝することです。
日程は一泊二日と短いのですが旅程を詰め込みました。
あまりにも直前に決めたのでリーズナブルなビジネスホテルが空いておらず、宍道湖の近くにある温泉宿に宿泊することになりました。
二人とも福岡在住ですので飛行機で行こうかと思いましたが、宿泊地が松江市だったので断念。
列車での旅となりました。
博多駅から朝一番の新幹線で岡山に向かいます。
実は福岡と出雲、近いように見えて陸路で行くと非常に遠いのです。
岡山駅で特急八雲に乗り換えなければなりませんでした。
列車の旅は慣れているので何も不安はありませんでした。
ところが途中大きな問題が発生します。
私は乗り物酔いしやすく特急八雲はとても揺れるという話を聞いていたので酔い止めを服用していました。
薬と興奮からの睡眠不足のせいでしょう、なんと私は八雲の車内でずっと眠ってしまったのです。
可哀相なのは友人です。
美しい車窓からの景色を眺めながら私との会話を楽しもうと思っていたのに私は爆睡。
実質一人で旅をしているようなものでした。
そんなときに限って友人は全く眠れず、結局岡山から松江までの三時間以上も一人で退屈していたのです。
松江から出雲へ
松江駅に着くなり私が平謝りしたのは言うまでもありません。
三時間も一体どうやって過ごしたのでしょう。
私には想像もできない退屈な時間を過ごしただろう友人は、しかし笑って許してくれました。
駅に着いてすぐに出雲大社へ、という訳にはいきませんでした。
旅館に荷物を預けなければなりません。
松江駅に着いたのはすでに11時でした。バスで旅館へ向かいます。
旅館は宍道湖のすぐ近くにありました。
一見するとビジネスホテルのような小さめの建物でした。
中に入ると奥に広がりがあり清潔感のあるところでした。
フロントの方も非常に感じが良く、ここに決めて良かったと心から思いました。
荷物を預けて帰りの時刻を伝えます。
というのもこの旅館、部屋まで夕食を持って来てくれるのです。
今までそんなところに泊まったことのない我々はすでにテンションが上がりました。
電車の駅の場所を教えてもらって旅館を出ます。
宍道湖から出雲大社までは電車で一時間近くかかります。
便数は一時間に一本なので時間をきちんと調べて動かないと大変なことになります。
駅には足湯があり、電車が来るまでそこに浸かっていました。
駅には思ったよりも人が少なく、電車でも座ることができた安心感から私はすぐに眠ってしまいました。
出雲大社の名物に敗北
また一時間近く一人にされた友人は、今度は強めに私を叱りました。
出雲大社の駅は参道の中腹にあります。
参道は全体的に坂になっていて一番下に鳥居があります。
私たちは一度そこまで下りて鳥居と記念撮影をしました。
白い石でできた鳥居はあまりテレビで見ることもなかったので新鮮でした。
その後参道を登りながら昼食を食べる場所を探します。
出雲そばという名物があることを知っていた我々はその看板が目に入るやいなや特に何も考えずにその店に入りました。
私としてはそれが失敗でした。はっきりいえば美味しくなかったのです。
見た目はガイドブックに載っているような出雲そばなのですが、なんだかぱさぱさしていて美味しいとは思えませんでした。
こういった観光地でもお店の評価は事前に調べるべきなのだと学びました。
というのは出雲そばの店は他にもいくつかあったからなのです。
ガイドブックを見て出雲そばへの期待値も非常に上がっていました。
もしかしたらどこのお店で食べてもそんな味で、単に私がそばと相性が悪いだけかもしれないですが、きちんと吟味していれば美味しい出雲そばが食べられたのかもと悔やみました。
友人も同じ思いだったのか、その後蕎麦屋の話は全くしませんでした。
出雲のお土産はすばらしい
出雲大社の参道は上に行けば行くほどお土産屋さんが充実しているのでとても面白かったです。
まず立ち寄ったのは参道の下の方にあるお茶屋さんでした。
生年月日から体に合うお茶を見繕ってくれる店でした。
お茶には様々な種類があり、まるで緑茶版ハーブティのような面白さがありました。
香りを嗅いで気に入ったもの、生年月日から相性のいいものを購入しました。
次に立ち寄ったのはパワーストーンの店です。
正直私は興味がないのですが、友人が好きなので寄りました。
私はすぐに飽きて別の土産物屋へ行きます。
そこで出会ったのが生姜味のキャンディーです。これは一目ぼれして購入しました。
縁結びにちなんでか「恋の処方箋」という名前で売られており、飴の形もハート形をしている可愛らしい商品でした。
味はピリッと辛くて身体がすぐに熱くなるようなしょうがの味がしっかりと楽しめて、なおかつ甘さもあってとても美味しかったです。
友人は散々悩んだ挙句にパワーストーンのブレスレットを購入していました。
出雲店でしか購入できない商品だそうで、とても満足げでした。
一番上、出雲大社の入り口の正面には茶色いスターバックスがあります。
参拝が終わってからそこに入ろうか、と言う話をしながら私たちは出雲大社へ向かいました。
出雲大社の本殿
出雲大社はとても素晴らしい場所でした。
緑にあふれていながら中の参道も美しく整備されており、とても参拝しやすかったです。
意外だったのは参拝客がそれほど多くないということでした。
観光地というのは右も左も人ばかり、というイメージがあったのでとても驚きました。
参道は美しい石畳で、私たちはきちんと端を通ります。
出雲大社は参拝の手順が他の寺社と違うらしく、私は友人に手ほどきを受けながら進みました。
出雲大社はとても広々としていて歩いているだけで気分が清々しくなります。
出雲大社と言えばあの大きなしめ縄ですが、実はあそこは本殿ではなく、儀式をするための場所なのです。
なので本殿にお参りをしてから大きなしめ縄を見に行きました。
しめ縄のある場所ではお守りも売っているので自分用と家族用に購入しました。
しめ縄は実際に見るとその重量感に圧倒されます。
これを作る職人さんは一体どうやって作るのだろうと話が盛り上がりました。
もう一つ見たかったものがあり、それは柱の跡です。
伝説だと思われていた巨大神殿の柱の跡です。
大きな柱をさらに三つまとめて一つにして建物を支えていたその痕跡です。
実際に目の当たりにすると人間の小ささと古代人の偉大さを感じずにはいられませんでした。
出雲の初めての旅館
出雲大社で遊ぶ時間には明確なタイムリミットがありました。
旅館での夕食の時間です。午後6時までには部屋に戻らなければならず、お土産物を物色して予想以上に時間を喰った我々は大慌てでバスに乗りました。
というのも乗る予定だった電車に乗り遅れてしまったのです。
バスで出雲駅に向かいそこからさらに乗り換えてどうにか夕食に間に合いました。
食事はとても豪華でした。
食前酒から始まり鯛をまるまる一匹使った煮つけもありどれも非常に美味しかったです。
また一品ごとに仲居さんが持って来てくれるので出来立てを食べることができます。
島根はワイナリーでも有名なので、食前酒は当然地元のスパークリングワインでした。
とても飲みやすく今度はワイナリー巡りに行こうかと話しました。
そしてこの旅館で最も楽しみにしていたのは温泉です。
翌朝も早く出なければならないので食事を終えるとすぐに浴場へ向かいました。
夜も遅かったからか他に誰もおらず貸切状態でした。
露天風呂からは空を眺めることができたのですが、生憎の曇り空でした。
この旅行は非常に充実した非の打ちどころのない旅でした。
列車ではやはり時間がかかるので次は飛行機で、ワイナリーと足立美術館を中心に回ろうと友人と計画中です。
★追記(YYさんからコメントを頂きました)
新山口で新幹線を降りて特急スーパーおきに乗り換えるとか、広島で新幹線を降りて高速バスを利用した方が、岡山乗り換えより早く出雲市まで着くと思いますよ。
是非参考にしてみてください!
出雲へ行くなら
出雲のガイドブック
出雲へ行く際のガイドブックです。1冊持っていると便利ですよ。